【番外】病院での治療

糖尿病と診断された場合は、病院の指導のもと、食事療法や運動療法、薬物療法などを受けることになります。治療や薬の種類、内容を解説します。

糖尿病の治療や薬

糖尿病の発症が確定した場合は、自己流の方法ではなく病院で治療を受けることになります。糖尿病の治療法には食事療法と運動療法、薬物療法があります。

■食事療法

1日の摂取カロリーを厳守して標準体重の維持を目指し、インスリン作用不足の解消を目指します。カロリーをしっかり計量し食品交換表を使用、食事の時間も守ります。

■運動療法

インスリン作用の感受性を高めて血糖値を下げ、筋肉を増やして脂肪を減らすことを目的に行います。高脂血症や高血圧の改善も見込め、体力も向上します。

■薬物療法

食事による療法や運動による療法で思うような効果が出なかった場合に経口剤やインスリン注射によって血糖値を下げる方法です。ただし、食事療法や運動療法も同時に行います。

薬物治療の内容

血糖値を下げてくれる糖尿病薬の種類

糖尿病の薬物治療には、様々な薬が使用されています。主に使用されている薬には以下のような種類のものがあります。

αグルコシダーゼ阻害薬

αグルコシダーゼ阻害薬は、食物繊維と似たような働きがある治療薬です。食事で摂取した糖分が、体内でブドウ糖に変換されるのを遅くしてくれる効果があります。そのため、食事をした後に急激に血糖値が高くなる心配がありません。
効能としては糖尿病の治療薬の中では一番弱いですが、低血糖にならないので安全性は高い薬です。αグルコシダーゼを含む治療薬には、主にグルコバイやボグリボースなどといったものがあります。

スルフォニル尿素薬

スルフォニル尿素薬は、膵臓に働きかけることでインスリンの分泌を促してくれる薬です。数ある血糖値を下げる薬の中でも、最も知名度が高い治療薬といえます。昔から使われている薬なので、安全性は非常に高く値段もお手頃です。
しかし、血糖値の高さに関係なく同じような効果が働くので、副作用で低血糖を引き起こしてしまう可能性もあります。そのため、使用するときには十分な注意が必要です。スルフォニル要素薬を含む治療薬には、主にアマリール、パミルコン、オイグルコン、ダイアグリコなどといった種類があります。

ビグアナイド薬

ビグアナイド薬は、肝臓に働きかけることで血糖値の上昇を抑えてくれる薬です。通常、人の体は空腹になると必要なエネルギーを補うために、肝臓からブドウ糖を放出します。
しかし、糖尿病の人はブドウ糖が普通の人よりも大量に放出されてしまう傾向があるため、血糖値が上がってしまうのです。
ビグアナイド薬には、ブドウ糖の分泌量を抑えてくれる効果がありますので、血糖値の上昇を防ぐことができるでしょう。また、ビグアナイド薬を飲んでもインスリンの分泌量は変わらないので、低血糖などの症状に陥る心配もありません。主にメルビンやグリコラン、ジベトスなどといった薬が、ビグアナイドに含まれます。

インクレチン薬

インクレチン薬は、インスリンの分泌量を増やしてくれる治療薬です。食事をした後、小腸にブドウ糖が吸収されると血糖値が上昇したというサインが膵臓に送られます。そのサインを受け取ることで、インスリンの分泌量が増えるのです。
インクレチン薬には、主に「DPP-4阻害薬」と「GLP-1受容体作動薬」の二種類があり、飲み薬か注射薬かに分かれます。この薬単体では、低血糖を引き起こす心配はないですが、「スルフォニル尿素薬」や「インスリン」などと一緒に使用した場合は、低血糖になる危険性があるので注意しましょう。

薬を飲むタイミング「食直前・食前・食後」の違いについて

薬を飲むときは、タイミングが大事になります。薬を飲むタイミングとしては、食前、食直前、食後の三つに分けられますが、具体的にどれくらいの時間を目安にすればいいか分からない人が多いでしょう。
食前、食直前、食後の違いと詳しい時間帯の目安について解説していきます。

食前

食前とは、食事を摂る前の20~30分前のことを指します。薬によっては、食事を摂ることで胃の中にある食べ物と混ざって薬の効果が半減してしまうものもあります。そのような薬の場合、食前に飲むことが多いです。
また、糖尿病の人の血糖値を下げる薬や、胃の調子を整える薬、食後の吐き気を抑える薬などは、食前に飲むと効果が高まります。

食直前

食直前というのは、食事を摂る直前のことです。だいたい食事を摂る前の5~10分前くらいのことを指します。
糖尿病患者が使用する「αグルコシダーゼ阻害薬」や、「速効型インスリン分泌促進薬」などの薬は、食直前に飲むのが効果的です。これらの薬は、食事に含まれる糖分の吸収を抑えて、食後の血糖値を下げてくれる働きがあります。そのため、食前や食後に飲んでしまうと低血糖を引き起こす可能性がありますので、必ず食直前に飲むようにしましょう。

食後

食後とは、食事を摂ってからだいたい20~30分後くらいのことです。食後は食べ物が胃の中にある状態なので、薬による胃への負担が少なくなります。
また、食べ物と一緒に飲むことで吸収されやすくなる薬や、空腹時に飲むと胃にダメージを与えてしまう薬などは、食後に飲むことが多いです。糖尿病の薬は胃に何もない状態で飲むと、低血糖に繋がる恐れがあるので気を付けましょう。

薬物治療の内容

糖尿病の飲み薬にはインスリンの分泌を増やすもの、インスリンの働きを良くするもの、肝臓によるブドウ糖の生産量を抑えるもの、糖分が体に取り込まれるのを阻害するものなどがあり、それぞれの血糖値やタイプによって処方されます。

注射薬としてはインスリンがあり、決められた時間に患者が自分でお腹や太ももなどに注射を行います。

飲み薬とインスリン注射のどちらを選ぶかは糖尿病のタイプや注射を受入れられるかどうかといった事情がからんできますが、薬を数種類使ったり、薬とインスリンを併用する場合もあります。

より確実に血糖値を下げることができるのはインスリンで、すぐに効果が出る超速攻型から時効型までいくつか種類があります。人によっては1日4回程度の注射が必要になることがあります。

薬物治療のリスク

薬物治療につきものなのが低血糖です。これは薬やインスリンが効きすぎて血糖値が低くなりすぎてしまうというもの。低血糖と感じたらブドウ糖などをすぐに補わないと意識障害や昏睡、けいれんを起こすことがあります。

こういったリスクを回避するために自分で血糖値を測る「血糖自己測定」を行う人も増えています。指先などに針を刺し、極少量の血液で血糖値を把握することができます。

また、糖尿病患者のおよそ60%は高血圧だと言われており、高血圧だとわかった場合は減塩治療や高血圧の薬による治療も行われます。網膜症、緑内障、白内障といった糖尿病を原因とする目の疾患、腎不全、動脈硬化などが起こった場合はそれぞれの治療がプラスされます。

このように糖尿病の症状が進むとたくさんの治療を受けることになり、血糖値のコントロールにも気を使わなくてはなりません。

生活の質も落ちることになります。糖尿病予備軍にいる人は食事や運動、生活習慣の改善、サプリメントなどで血糖値を正常範囲にまで戻すように努力し、糖尿病を発症しないようにしましょう。

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