生活習慣の改善

ストレスを溜めないこと、よく眠ることは血糖値を上げないための大切なポイント。酒やタバコをやめることは血糖値を下げるだけでなく血圧を上げない方法にもつながります。

睡眠不足とストレスは血糖値を上げる

運動不足や食べ過ぎ、肥満は糖尿病の原因として広く認知されていますが、生活習慣の乱れが糖尿病の原因になっていることはあまり知られていません。

例えば睡眠不足。睡眠が足りない人はよく眠っている人に比べて高血糖になる傾向があることがわかっています。睡眠が不足すると交感神経を活発にするホルモンの分泌が増し、このホルモンはインスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなること)を高めてしまうからです。アメリカでのある研究では1日の睡眠時間が7〜8時間の人は血糖値が低く、5時間以下の人は7〜8時間の人に比べて糖尿病のリスクが2.5倍になったということです。

またストレスにも要注意です。ストレスはコルチゾールという血糖値を上昇させるホルモンを増やしてしまうからです。

コルチゾールは副腎皮質から出るストレスホルモンで、糖質コルチコイドとも呼ばれています。ストレスを感じるとコルチゾールは脳のエネルギーを確保しようと体内の筋肉をブドウ糖に変えます。

人がストレスを感じる脳にだけエネルギーを運びたいがために、ほかの筋肉にブドウ糖が吸収されないよう、コルチゾールはわざわざインスリンの働きを抑えてしまいます。

ところがせっかく作ったブドウ糖もすべてが脳に送られることはなく、行き場を失ってしまったブドウ糖は内臓脂肪へと蓄積されます。

この一連の流れの中で血糖値は上昇し、そればかりか脂肪が増え、代謝が落ちて肥満の危険性も増してしまいます。

タバコや酒が糖尿病や血圧によくない理由

タバコも血糖値を上げることがわかっています。タバコにはニコチンが含まれていますが、ニコチンは交感神経を刺激して血糖値を上昇させるカテコラミンというホルモンを分泌させます。

また、タバコは血管を収縮させて高血圧の原因にもなります。糖尿病になると高血圧になる可能性が増すことから、血糖値が高い人の喫煙はおすすめできません。

飲酒にも注意が必要です。アルコール自体が血糖値を上げるわけではなく、むしろアルコールは血糖値を下げてしまうことがあります。

しかし、糖尿病と診断されると禁酒を勧められることが多いようです(少量のお酒であれば許可が出ることもあります)。

糖尿病患者が禁酒を勧められるのは肝臓の働きを高めるためです。肝臓は有害なものを解毒したり食事を代謝してエネルギーに替えてくれます。

しかしアルコールを解毒することに一生懸命になりすぎてしまうと他の仕事ができません。蓄えておいた栄養をエネルギーとして利用する仕事ができないために血糖値は下がってしまうことがあります。

このような状態では、糖尿病における血糖値のコントロールはうまくいきません。

アルコールは血糖値を上げる側面もあります。おつまみなどの摂りすぎは肥満や高血糖の原因にもなりますし、アルコール性膵炎になればインスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊され、糖尿病を発症します。

生活習慣を改善させて血糖値を下げる方法

ストレスや睡眠不足が血糖値を上昇させることは明らかです。とくに長期にわたってストレスを受け続けるのが良くないので、ストレスを感じたら発散させるように努めましょう。

趣味を持ったり、気分転換をするコツを自分なりに見つけることが大切です。運動もストレス発散につながるので、血糖値を下げるのに一石二鳥になるでしょう。

睡眠は「質の良い睡眠」を目指しましょう。そのためには部屋を暗くし、寝る前にスマホなどを見て交感神経を高めないことが大切です。

ストレスは大敵ですから、適度なアルコールはかまわないかもしれません。ただし糖尿病のコントロールを行っている人は、医師の指導のもとに飲酒してください。

愛煙者はできる限り禁煙しましょう。喫煙は高血圧や動脈硬化の原因にもなります。

タバコやお酒を控え、よく眠り、ストレスを溜めないようにする。これは血糖値を下げるだけでなく健康的な生活の基本となるもの。

血糖値が気になったこの時期に生活を見直すことで、たくさんの相乗効果が期待できます。

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