適度な運動

血糖値を下げるには適度な運動が効果的です。糖尿病の人は高血圧になることが多いので血圧を下げる運動ともに、インスリンの効きが悪くなっている人に運動が効く理由と運動の内容を紹介しましょう。

血糖値を下げるには【運動編】

日本人に多いのは2型糖尿病で、その原因は過食や肥満、運動不足です。そのため2型糖尿病の基本的な治療法は運動療法と食事療法になります。

運動は体に良いものという印象がありますが、血糖値が高い場合の運動療法の目的は肥満の改善とタンパク質の一種であるGLUT4(糖輸送担体4<グルコーストランスポーター4>)の増加にあります。

糖尿病になると「インスリン抵抗性」といって、インスリンの効きが悪くなります。GLUT4はインスリンによって血糖を細胞内に取り込んでいるので、インスリンが少なくなったり効きが悪くなるとGLUT4が働いてくれず、血糖が細胞内に正常に取り込まれなくなります。血糖が細胞内に取り込まれなければ、血糖値は上昇してしまいます。これが2型糖尿病の原因です。

運動にはインスリンと同じような働きをしてGLUT4の働きを高める効果があり、「インスリン抵抗性」を改善します。

運動はインスリンの替わりになる?

GLUT4は普段は細胞内部に潜んでいますが、運動によって次のような流れで血糖を細胞内に取り込みます。

運動によって筋肉が収縮する。

筋肉の収縮によって「AMP活性化プロテインキナーゼ」というセリン・スレオニンリン酸化酵素の一種が活性化する。

するとGLUT4が筋細胞膜上へ 移行し、糖を骨格筋の細胞内に取り込む。

ラットを用いたある実験によれば、1日2時間低強度の持久性水泳トレーニングを行わせたところ、上肢のEPI筋にあるGLUT4の濃度が2倍になったことが確認されました。

持久性のトレーニングによってGLUT4の量が増えることを裏付ける結果です。

インスリンの効きが悪い糖尿病であっても、このような運動がインスリンと同様の働きをしてGLUT4の働きを高め、細胞内にしっかり糖を運んでくれるのです。

血糖値と血圧を下げる運動

ただし運動を3日以上ストップすると効果がなくなってしまうため、無理のない、続けやすい運動を行うことが大切です。

続けやすい適度な運動としてはウォーキングやサイクリング、水泳などが挙げられます。

糖尿病の場合の運動療法は、1日150kcal(1週間1050kcal)程度の運動量が目標とされることが多いようです。150kcalを消費するにはウォーキングやサイクリングでであれば30〜40分、軽いジョギングなら20分、なわとびなら10分、水泳なら平泳ぎで10分程度が目安。毎日続けるためには電車での移動を自転車に変えたり、エスカレーターやエレベーターを使わずできるだけ歩くようにするといった工夫をしてみるのもいいでしょう。

このような適度な運動は糖尿病だけでなく高血圧にも効果があります。糖尿病になると血圧も上がる傾向にあるので血圧対策としてもおすすめです。

運動療法の注意点

運動療法にも注意しなければいけないことがあります。インスリンや経口血糖降下剤などを使用して糖尿病治療を行っている人は、激しい運動によって低血糖を招くことがあります。医師の指導に従った上で運動をするようにしてください。

激しい運動をする場合はインスリンや薬剤の量の変更が必要な場合があります。

また、糖尿病による合併症が出ている人も要注意です。糖尿病とはっきり診断され、その上で合併症がある人は運動によって症状が進んでしまう場合があります。運動する前に医師の指導を受けるようにしましょう。

足腰が悪い人も無理な運動をする必要はありません。運動をするなら水泳など負担の少ない運動を取り入れるようにしましょう。

運動は高血糖に効果的ですが、はっきりと糖尿病だと診断されている人は医師に相談した上で、医師の指導に従って行うことが大切です。

糖尿病と診断されたわけではないけれど血糖値が高めという人は、無理のない範囲で取り入れるといいでしょう。

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